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    モンゴルでの養蜂支援報告 Vol.2

    モンゴル2_01

    モンゴルでの養蜂支援報告 Vol.1 “つづき”より

    私たちはウランバートルからロシア国境近くのセレンゲ県スフバートル市のホテルを拠点として養蜂の支援活動を展開しました。
    車で30分弱程度のところにあるシャーマル・ソムは、1950年代にソビエトから養蜂技術が入った原点で、社会体制が変わった後もシャーマル・ソムがモンゴル養蜂の再出発点となっています。
    スフバートル市で開催されたセミナーが大盛況のうちに終わり、その後数か所の養蜂グループを視察し、仕事で帰国する中村教授と共に一旦ウランバートルに戻りました。

    ウランバートルでも少数の養蜂家を集めてセミナーを持ちました。
    大使館、JICAを表敬訪問し今回のプロジェクトを説明しました。
    養蜂を通して大草原の草花がそのままで大変な資源となりうること、自然保護にも役立ち、それが観光資源としても重要であることを訴えました。皆大変納得してくれました。
    宇田川氏、西山氏が日を変えて帰国し、いよいよ僕一人が残り、約2週間の予定で、養蜂家の各グループを訪問して、彼らが飼育している蜂群の状況を見てアドバイスをするプログラムが始まりました。

    モンゴル2_05

    同行者はモンゴル農業大学トグトフバヤル教授(女性)、通訳ウーガン氏(獣医師で今回通訳を担当してくれました)、運転手(バイナー氏)と案内役としてシャーマル・ソム養蜂組合長(オユンバートル氏)と僕を含めた5名です。現場のそれぞれの蜂群をその場で診断し、適切なアドバイスができるか?本当に良い状態にすることが出来るのだろうか?と、個人的には多少の不安を持ちながらの出発でした。
    どの蜂場でも共通していた点は、予想していたように一群あたりの蜂蜜度が低いこと、貯蜜圏と育児圏を分けた巣板の配列になっていないことでした。
    彼らは旧ソビエト時代からの養蜂の技術をある程度は引き継いできましたが、蜂群数を増やすことが中心で、1群あたりの収蜜量をあげるための工夫はなされていないように感じました。
    そこで今回は巣箱の中の蜂蜜度を混ませ、育児圏と貯蜜圏を分ける巣板の配列方法をアドバイスしました。
    その他、その場で気づいた諸点をアドバイスし、質問を受け、実践として不用な巣板を抜き(蜂蜜度を上げるため)、巣の配列を整えて示したところ、意味が分からなくても感動しているような声が聞こえました。
    「なるほど!やはりそうか!」「俺もそうだろうと思っていたよ!」などの意味だったそうです。
    感動のあまりでしょうが、幾人かから「家を用意するから、ここに住んでほしい!」とまで言われ、こちらが焦るシーンもありました。

    モンゴル2_06

    現地に向かって一旦ホテルを出ると、道中には民家もまばらでレストランや店もまったくないため、出発前に市場で野菜、肉などの食料、水を購入し、途中で煮炊きしながらの訪問でした。
    お揃いで青い縞模様のTシャツを購入し、目的を一つにした5人での行動はとても良いチームワークで「一生忘れない!」と皆が言うほど楽しく、充実したものでした。
    市場で購入したスープカップは各自が記念に持ち帰り、僕は現在も家で毎日使っています。広大な菜の花畑、ネギの仲間の花(マンギル)がどこまでも続く大草原、数えきれないほどの種類の花々が夢のように咲き乱れる大草原での炊飯・食事は本当に忘れ難い経験でした。

    通常はカセットガスコンロを使用しましたが、草原での蚊よけ、熱源に馬糞を用いました。
    草原ではどこに行っても少し歩き回れば乾燥した馬糞がたくさん見つかります。
    馬糞の煙は藁縄を燃やした時のように心地良い?匂いでした。
    集めた馬糞や小枝に火をつけ小石を焼き、それを鍋に入れて野菜、肉を煮るモンゴル風?の料理方法も経験しました。
    馬糞はゲルの中でも使用され、乾燥中の肉の虫除け(たぶん燻製?)にも使われていました。
    途中寄った遊牧民のゲルでいただいた馬乳酒は“飲むヨーグルト”っぽく、お酒としては弱い感じでしたが、忘れがたい経験でした。
    私たちの腸内細菌の調整にはとても良いものだそうです。ウランバートルからスフバートルの往復の際に我々は一つのゲルを決めて訪問しましたが、いきなりの来客にも常に喜んで迎えてくれ、馬乳酒だけでなく昼ごはんも提供してくれた時もありました。
    処置後1週間ほどして再訪した1つのグループが「以前より蜜が採れるようになった!」と言って喜んでくれ、ほっと胸をなでおろしました。

    モンゴル2_04

    本派遣が無事終わり、約1か月後に「アドバイス後の確認・整理派遣」が9月11日から1週間の予定でありました。9月のモンゴル、ウランバートルからセレンゲ県への道中はすっかり秋の模様でした。車に設置されている温度計を見ると5℃、次の日の朝、ホテルの部屋の窓から見える屋根に氷がありました。それでも日中は暖かい日もあり、ハチも活動していました。遠くに移動していたハチは皆シャーマル・ソムの各自宅に戻し、越冬の準備作業期間でした。各家々付近の花にはミツバチがたくさん来ていました。
    組合長の案内で各養蜂家を回って歩いたところ、すべてのグループで、採蜜量が上がり、産卵数も増えたという報告を受けました。組合長も「良い報告ばかりで、良くなかったと言う報告は一件もない」と言って喜んでくれ、本当にうれしく思いました。

    モンゴル2_03

    確認後、ウランバートルに戻り日本大使館、JICAを再び訪問しました。
    モンゴルの大草原はそのままで大きな資源になりうること、今後のJICAFの支援活動への理解を再度訴えました。
    大使館やJICAからはとても高い評価をいただき、今後継続のために何らかの予算を申請するように促されました。

    モンゴルの大草原での養蜂業はミツバチがそこに咲く数知れない花々を訪れ、花粉媒介することにより生物の多様性に大きく寄与し、同時に多様な人びとの生活へも貢献することができます。
    そこで養蜂はミツバチが自然界と人の生活を仲介し、それぞれの多様性を互いに調和させうる産業であると考え、Harmony on Diversitiesと言うキーワードを考えつきました。
    この概念は今後、別の機会でより明確にして行く予定です。

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    文、写真:干場英弘(玉川学園・花とミツバチプロジェクト:ミツバチ管理人)

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    Comment

    1. 干場 英弘(ミツバチ管理人)

      干場 英弘(ミツバチ管理人)

      2014-03-07 (Fri) 11:02

      大草原は確かに“現世からの極楽往生”を感じます。
      そこでの養蜂業は大草原の花々を花粉媒介を通して維持させ、人々にも多大な利益をもたらす可能性があり、良い方向に進んでで欲しいと思います。
      道路などのインフラが整えば、心の癒やしなどの観光にも可能性が大いに広がりますね。
    2. TABUCHI Teruhisa

      TABUCHI Teruhisa

      2014-02-22 (Sat) 15:52

       モンゴルの支援事業報告は感動的です。共にあおい尻を持つ隣人のことが一層親しく感じられます。
       満開の花が咲く草原の話は現生からの極楽往生、そんな観光ツアーを予感させます。たのしみにしています。

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